前回、前々回と2回に分けて、資産管理会社を活用することで、どのようなメリットがあるかを説明しました。
・第20話 資産管理会社を使ってキャッシュフローをアップさせる方法
・第21話 法人を活用した【 4つの節税ノウハウ 】とそのメリット
今回は、実際に法人を設立して、活用する方法について説明します。
■ 資産管理会社の活用方式
大家さんが資産管理会社を設立した際の主な活用方法は、次の3つです。
①管理委託方式
既に大家さん「 個人 」が所有している収益不動産の管理を、設立した資産管理会社に委託する方式です。
簡単かつ安定的に資産管理会社で収入を計上できますが、管理料は家賃収入の10%程度が税務署が認める限度といわれてます。
私たち大家さんが外部の管理会社に支払う通常の管理料率とかけ離れた高い料率で資産管理会社に管理料を支払えば、税務署は否認するでしょう。
自分の資産管理会社以外に、他の外部の管理会社にも管理を委託している場合は、認められる管理料率は更に低くなるようです。
②サブリース方式
既に大家さん「 個人 」が所有している収益不動産を設立した資産管理会社に一括で賃貸し、資産管理会社が一般の入居者にまた貸しする方式です。
空室リスクは資産管理会社が負うので、サブリース料は上記①の管理委託方式の管理料より高く設定することができ、満室想定家賃収入の15~20%程度となります。
実際に満室に近いと資産管理会社に多くの収益を計上できますが、空室が多いと資産管理会社が赤字になってしまい、当初の目的が達成できないケースもありますので、サブリースの条件はよく考えて設定しなければなりません。
③自社所有方式
資産管理会社が自社で収益不動産を所有し、賃貸経営をおこなう方式です。
不動産賃貸によるインカムゲインは全て会社のものとなり、さらに不動産を売却した時のキャピタルゲイン( 場合によってはキャピタルロス )も会社のものとなります。
上記の3つの方式を、それぞれの状況にあわせて、適宜組み合わせながら、最適な運営をしていくことになります。
■ 資産管理会社を設立するタイミング
資産管理会社を設立するタイミングをきかれることがあります。
相談する相手によっては、「 個人の課税所得が〇〇〇〇万円以上になったら 」というアドバイスが返ってきます。当面の納税や法人設立に伴うコストを抑えるという点では、その考え方は正しいでしょう。
しかし、これから積極的に収益不動産を買い進める方針の場合、とくに所得税率が一気に高くなる大型物件を取得する方針である場合は、早期に資産管理会社を設立した方が良いといえます。
考えてみてください。仮に自分の投資目線にかなった収益不動産に出会ったとします。
その収益不動産を「 個人 」本人で取得すると所得税率が高くなるので、資産管理会社で取得した方が良いと想定されるのに、まだ会社を設立していなかったら、どうでしょう。
流れとしては、すぐに買付書を提出。次に金融機関に打診しつつ、( 融資特約付 )売買契約締結という手順となり、金融機関の融資の承認が得られれば決済というパターンになると思います。
その手続き進行中に、不動産を取得する「 資産管理会社 」がまだ存在していなくても、売主や仲介会社は、会社設立を前提に手続きを進めてくれるかもしれません。金融機関も融資の審査を進めてくれるかもしれません。
関係する皆さんが協力してくれれば、1ヶ月程度で会社成立させ、融資を受けて、決済。そして収益不動産の引き渡しは十分可能です。
※会社設立の手続き自体は、おおよそ1週間程度で完了します。 ただし、法務局側で審査を経て登記完了、そして会社成立の書類取得まで1~2週間かかるため、全体で3週間程度かかることが通常です。
属性も財務内容も良く、大家さんとしての実績のある方なら上手く進むかもしれません。
しかし、会社設立による一時的なコスト増を計算して、ぎりぎりまで資産管理会社を作るかどうか悩んでいるポジションの方であったら、売主や売主側の仲介業者さんも含めて関係者の皆さん全員が協力してくれるでしょうか?
とくに誰がみても取得してお得な収益不動産には、買い付けが殺到します。また、お得な不動産というのは、売り急ぎ物件であることが多いです。
もしも自分が売り急いでいる売主さんで、買い付けが複数入っている場合、今から設立する資産管理会社が取得する条件で、しかも融資特約付きの買付書をもらったとして、その買付書の優先順位をどうされるでしょうか?
答えは明白ですね。
このような理由から、私は次に購入しようと想定している収益不動産が、資産管理会社で取得した方が得になると見込める時は、早めに会社を設立しておくことをおすすめしているのです。
続きは次回に。
*実際に活用する場合は、事前に税理士・専門家にご相談ください。
・第20話 資産管理会社を使ってキャッシュフローをアップさせる方法
・第21話 法人を活用した【 4つの節税ノウハウ 】とそのメリット
今回は、実際に法人を設立して、活用する方法について説明します。
■ 資産管理会社の活用方式
大家さんが資産管理会社を設立した際の主な活用方法は、次の3つです。
①管理委託方式
既に大家さん「 個人 」が所有している収益不動産の管理を、設立した資産管理会社に委託する方式です。
簡単かつ安定的に資産管理会社で収入を計上できますが、管理料は家賃収入の10%程度が税務署が認める限度といわれてます。
私たち大家さんが外部の管理会社に支払う通常の管理料率とかけ離れた高い料率で資産管理会社に管理料を支払えば、税務署は否認するでしょう。
自分の資産管理会社以外に、他の外部の管理会社にも管理を委託している場合は、認められる管理料率は更に低くなるようです。
②サブリース方式
既に大家さん「 個人 」が所有している収益不動産を設立した資産管理会社に一括で賃貸し、資産管理会社が一般の入居者にまた貸しする方式です。
空室リスクは資産管理会社が負うので、サブリース料は上記①の管理委託方式の管理料より高く設定することができ、満室想定家賃収入の15~20%程度となります。
実際に満室に近いと資産管理会社に多くの収益を計上できますが、空室が多いと資産管理会社が赤字になってしまい、当初の目的が達成できないケースもありますので、サブリースの条件はよく考えて設定しなければなりません。
③自社所有方式
資産管理会社が自社で収益不動産を所有し、賃貸経営をおこなう方式です。
不動産賃貸によるインカムゲインは全て会社のものとなり、さらに不動産を売却した時のキャピタルゲイン( 場合によってはキャピタルロス )も会社のものとなります。
上記の3つの方式を、それぞれの状況にあわせて、適宜組み合わせながら、最適な運営をしていくことになります。
■ 資産管理会社を設立するタイミング
資産管理会社を設立するタイミングをきかれることがあります。
相談する相手によっては、「 個人の課税所得が〇〇〇〇万円以上になったら 」というアドバイスが返ってきます。当面の納税や法人設立に伴うコストを抑えるという点では、その考え方は正しいでしょう。
しかし、これから積極的に収益不動産を買い進める方針の場合、とくに所得税率が一気に高くなる大型物件を取得する方針である場合は、早期に資産管理会社を設立した方が良いといえます。
考えてみてください。仮に自分の投資目線にかなった収益不動産に出会ったとします。
その収益不動産を「 個人 」本人で取得すると所得税率が高くなるので、資産管理会社で取得した方が良いと想定されるのに、まだ会社を設立していなかったら、どうでしょう。
流れとしては、すぐに買付書を提出。次に金融機関に打診しつつ、( 融資特約付 )売買契約締結という手順となり、金融機関の融資の承認が得られれば決済というパターンになると思います。
その手続き進行中に、不動産を取得する「 資産管理会社 」がまだ存在していなくても、売主や仲介会社は、会社設立を前提に手続きを進めてくれるかもしれません。金融機関も融資の審査を進めてくれるかもしれません。
関係する皆さんが協力してくれれば、1ヶ月程度で会社成立させ、融資を受けて、決済。そして収益不動産の引き渡しは十分可能です。
※会社設立の手続き自体は、おおよそ1週間程度で完了します。 ただし、法務局側で審査を経て登記完了、そして会社成立の書類取得まで1~2週間かかるため、全体で3週間程度かかることが通常です。
属性も財務内容も良く、大家さんとしての実績のある方なら上手く進むかもしれません。
しかし、会社設立による一時的なコスト増を計算して、ぎりぎりまで資産管理会社を作るかどうか悩んでいるポジションの方であったら、売主や売主側の仲介業者さんも含めて関係者の皆さん全員が協力してくれるでしょうか?
とくに誰がみても取得してお得な収益不動産には、買い付けが殺到します。また、お得な不動産というのは、売り急ぎ物件であることが多いです。
もしも自分が売り急いでいる売主さんで、買い付けが複数入っている場合、今から設立する資産管理会社が取得する条件で、しかも融資特約付きの買付書をもらったとして、その買付書の優先順位をどうされるでしょうか?
答えは明白ですね。
このような理由から、私は次に購入しようと想定している収益不動産が、資産管理会社で取得した方が得になると見込める時は、早めに会社を設立しておくことをおすすめしているのです。
続きは次回に。
*実際に活用する場合は、事前に税理士・専門家にご相談ください。